ローソク足で表すことができる4つの価格
ローソク足は一定期間内の次の4つの価格を図表したものです。
(1)一番最初の取引価格である「始値(はじめね)」
(2)一番最後の取引価格である「終値(おわりね)」
(3)一番安い取引価格である「安値(やすね)」
(4)一番高い取引価格である「高値(たかね)」
(1)~(4)をまとめて「四本値(よんほんね)」といいます。
ローソク足を構成する部品と呼び方
一定期間内で(1)始値と(2)終値のどちらが高い価格であったかによって、ローソク足の陽線(ようせん)と陰線(いんせん)にわかれます。価格が上がった場合は陽線、反対に、価格が下がった場合は陰線です。下図は、陽線と陰線の構成部品を説明したものです。
ローソク足は、「実体(じったい)」(柱ともいう)と呼ばれる四角と、「ヒゲ」と呼ばれる実体から上下に伸びる線によって構成されています。実体で(1)始値(2)終値を表し、ヒゲで(3)安値(4)高値を表しています。ヒゲは上下にありますが、上にあるヒゲを「上ヒゲ(うわひげ)」、下にあるヒゲを「下ヒゲ(したひげ)」といいます。
陽線と陰線の最大の違いは、色が異なっていることです。形状が同じなので、色を分けることで区別しています。一般的に、陽線は白、陰線は黒で表されます。白と黒以外にも、黄と黒、緑と黒、赤と青、といった組み合わせが使われることもあります。特定の色の組み合わせは決まっていません。トレーダーがチャートの見やすさや好みによって選んでいます。
基本的なローソク足
ローソク足をみることで、一定期間内で価格が上がったのか、それとも下がったのかが一目でわかります。ローソク足は、価格の推移によって色と形状が異なります。ローソク足1本の四本値が様々に推移した時の、陽線と陰線、そして特殊な形のローソク足についてみていきましょう。
陽線(ようせん)
陽線は、始値より終値が高い(最初の価格より最後の価格が高い)という特徴を持ちます。
一定期間内に、価格が110円→100円→130円→120円と推移した場合は、下図のように表します。
陰線(いんせん)
陰線は、始値より終値が低い(最初の価格より最後の価格が低い)という特徴を持ちます。
一定期間内に、価格が120円→130円→100円→110円と推移した場合は、下図のように表します。
ヒゲのない陽線
価格が110円→110円→120円→120円(つまり、110円→120円)と推移した場合は、下図のように表します。
この場合、始値と安値、終値と高値はそれぞれ同じ価格になり、ヒゲのない陽線になります。
ヒゲのない陰線
価格が120円→120円→110円→110円(つまり、120円→110円)と推移した場合は、下図のように表します。
この場合、始値と高値、終値と安値はそれぞれ同じ価格になり、ヒゲのない陰線になります。
十字線(じゅうじせん)
特殊な例として、価格が110円→100円→120円→110円と推移した場合は、下図のように表します。
この場合、実体が線で表され、十字線という特殊なローソク足になります。
始値と終値が変わらないため、陽線と陰線どちらにも分類されません。
十字線は、同事線(どうじせん)・同時線(どうじせん)ともいいます。
一本線(いっぽんせん)
さらに特殊な例ですが、価格が110円→110円→110円→110円(つまり、110円のまま)と推移した場合は、下図のように表します。
この場合、実体が線で表され、さらにヒゲもない、一本線という特殊なローソク足になります。
始値から終値まで変わらないため、陽線と陰線どちらにも分類されません。
一本線は、四値同事線(よんねどうじせん)・四値同時線(よんねどうじせん)ともいいます。
まとめ
- ローソク足は1本で一定期間を示し、四本値という4つの価格を表すことができる
- 一定期間内で価格が上がっていれば、ローソク足は陽線となる
- 一定期間内で価格が下がっていれば、ローソク足は陰線となる
- 始値と終値が同一であれば、ローソク足は十字線となる
- 四本値すべてが同一であれば、ローソク足は一本線となる
価格推移によって実体の長さや、ヒゲの長さが変化することで、ローソク足は様々な様態を見せます。
ローソク足の実体とヒゲの長さによって、ここで解説した名称以外を持つローソク足もあります。